こんにちは!某旅行会社にて添乗員歴7年、バリバリの現役ツアコン
A子です。主にヨーロッパを中心に、ホットでディープな情報を
添乗員の視線でお届けします。お楽しみに♪♪♪

 
   



恐怖!カナダ拉致事件

  かれこれ3年前の秋、カナダのオンタリオ州ローレンシャン高原で紅葉を見るツアーに行きました。お客は10人。「本業は警察官」というバスの運転手さんはとってもいい人で、旅は滞りなく進行していきました。

 そんな楽しい旅が運転手のご乱心により突然パーに…

 私たちはローレンシャン高原でのクルーズを終え、運転手さんが待つバスの待機場所に戻りました。しかし、そこにバスは無く、ただの広場が広がっていたのです。

 近くにいた人に尋ねると、バスは「5分前まではちゃんと待っていたのに、急に出て行った」との事。慌ててバス会社に問い合わせ、探すこと2時間。彼は憔悴しきった顔で現場に戻ってきました。「どうしたの!?」と聞くと「僕が悪いんだ…僕が…」と頭を抱えてしまったのです。内心「やばいかも、この人」と不安に思いつつもバスは出発、しばらくするとようやくオタワの街が見えてきて一同ホッと胸をなでおろしました。

 ところが、そこで彼は急に私達のほうを振り返り、「病院に行かなくちゃ」と言い出したのです。訳がわからない私は、「病院!?どこか具合でも悪いの?とりあえずホテルに戻ってから一人でタクシーで行ってもらえない?」と言っても彼は「病院に行かなくちゃ」とうわ言のようにつぶやくばかり。挙句にバスを止め、道行く人に病院の場所を聞き出す始末。仕方がないのでお客さんの了承を得て、成り行きを見守ったところ、バスは町外れの病院に到着しました。そこで彼は再び私達に向かって「僕はもう運転できない。ごめんなさい。」と言い制服も脱ぎはじめてしまいました。私もお客さんも、ただ呆然と見つめるばかり…









   

 彼はそのままバスを降り病院へと入ってしまったので、私は慌てて彼を追いかけ、彼自身で会社に電話をさせ、新しい運転手を手配させました。

 それから1時間後。別の運転手さんが到着し、私たちがホテルにたどり着いた時には予定の時刻から5時間もオーバーしていました。

 代わりに来た運転手さんが「俺は今からもう一度病院に行ってあいつの様子を見てくる」と言い病院へ引き返したのですが、その時すでに彼は病院から姿を消していたそうです。

 その後、彼の奥さんも探しに出たらしいのですが、彼の行方はわからなかったそうです。彼の運転手仲間から「あいつはあの後自殺したらしい。道連れにならなくてよかったなぁ」と言われゾーッとしたツアーでした。

 真相はいまだナゾのままですが、命があって本当によかった…


 

 

2004年1月  
 ■次回の添乗日誌もお楽しみに!