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2006年01月07日
餅つきの思い出
もう7日になってから餅の話題もちょっと遅きに失した感があるが、書きたくなったので書いてみる。
父方の祖父は私が生まれる1ヶ月前に亡くなってしまったので思い出があるわけもないのだが、同じ市内にあった祖母の家を訪れたときのことはいろいろ覚えている。その中でも一番印象的なのは、正月2日の餅つきの日だ。長男の父と弟たち、妹の夫たちが総出で餅をつく。大きな臼と杵とで、叔父たちの中にはランニング一枚でご丁寧にねじり鉢巻までしめて威勢良く餅をつく姿もあった。できたての餅を丸めるのは女と子供たちの役割。10人以上のいとこたちと一緒に母親たちを手伝ったものだ。
できたての餅は、関東風の雑煮、砂糖醤油、納豆、磯辺、きなこ、 お汁粉、それに大根おろしたっぷりの辛み餅。私の一番の好物はこの辛み餅だったのだから、「この子は将来酒飲みになる」とみんなに言われていたっけ。
祖母はふっくらした顔、体つきながら、 性格は気丈、頑固で、世の中の「進歩」に簡単にはのらないタイプ。それでもいとこの中で最年長の私はとくに祖母に可愛がられたというし、私にはやさしいおばあちゃんというイメージが今も残る。ガスや冷蔵庫なんかいらないと、いつまでもカマドを愛用し、夏は井戸水でスイカを冷やしていたのを覚えている。そんな祖母だから、親戚中が集まるその日のご馳走は毎年まったく同じだった。ありったけのストーブの上でコトコト湯気をあげる鶏の水炊き、七味唐辛子がこれでもかというほど入ったゴボウとニンジンのきんぴら、それと近所の寿司やからとった寿司。くる年もまたくる年も、「キンピラからいよ〜」という声がどこからあがる。それでも祖母は辛い辛いきんぴらを作り続ける。そのきんぴらをつまんで「辛いけどおいしーい」というと祖母がこちらをみて笑う。私はちょっぴり大人の仲間入りをした気分を味わう。昼間から座敷に卓をいくつも並べて、叔父たちはほろ酔い加減。子供たちはお年玉をもらって大勢で遊び回る。
祖母は私が高校生の時に亡くなり、兄弟仲があまりよいとはいえなかった父はこの集まりに参加しなくなってしまった。それでも正月のたびに思い出す、 私にとっては忘れられない光景なのだ。
投稿者 yukako : 2006年01月07日 09:02
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