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食の探偵団
vol.1 食育ってなんだろう?…五感を使って、味わって…  

 昨年の春、小学生を対象にした食育プログラム「食の探偵団」を立上げました。小学校1年生から6年生まで、男の子も女の子も、皆嬉々としてオリジナルの料理を考えたり、食べ物をじっくり味わったり、観察したりしています。子供たちの集中力、根気、表現力、斬新なアイディアには毎回驚かされます。家庭で台所をすべて子供に明け渡すのは親としてなかなか勇気がいることです。でも、「食の探偵団」のプログラムの中には、家でもちょっとした時間を使って、親子で、あるいは大人だけでも楽しめるようなものがたくさんあります。今月は少し話がかたくなりますが、「食の探偵団」を始めたきっかけからお話し、次号からは家でも楽しめる食育のヒントを中心にご紹介していく予定です。

 親に「ぼく、これ好き?」ときいて確認してからでないと食べ物に手をださない子、手作りのお菓子を「ださい」と敬遠し、市販のスナック菓子なら1袋でも食べきってしまう子、見なれた食べ物でないと箸をつけない子。子育て中に多くの子供たちを見てきましたが、自分で食べて味わう前に、まずは頭で判断してしまう子が少なくありません。大人たちも雑誌やテレビで「究極の味」「絶品」と紹介されたものとなると、「自分がおいしいと思えないのは自分の舌が悪いにちがいない」と考え、自分の感覚に素直になることができずにいます。そして、グルメ番組がこれほど溢れ、世界中の美食を口にすることが可能な日本で、日常の家庭の食事はむしろ豊かさとは逆の方向に急速に向かっています。

 私たちは食べずには生きていけません。それなら毎日繰り返されるその行為をもっと楽しめたらいいと思いませんか。今までの日本の食育の多くは、栄養の知識の伝授か、料理の作り方かに集中していました。こうしたことが重要なのは確かです。でも、食への関心がなければ、知識も技術も身につきません。今まで日本の食育に欠けていたのは、食を楽しむという視点です。私はこれがこれからの食育の原点であるべきだと考えています。

 「食の探偵団」の柱とするところは次号以降で順次紹介していきますが、最も重要なのは、「先入観にとらわれずに五感で味わい、感じたことを表現してみること」と考えています。差を感じることができなければ、その差を表す言葉も必要なくなってしまいます。子供たちの表現が画一化していると言われるのも、私たち日本人が、大人も子供も、じっくりとものを感じたり考えたりする余裕をなくしているのが理由かもしれません。

     
 食べる時には五感のすべてを使って味わいますが、五感のうちの1つだけを使って、その感覚を使って味わっているのだ、と認識してみることも大切です。目を閉じてにんじんを食べると多くの人がそれをにんじんと言い当てますが、さらに鼻をつまむと言い当てられる人は極端に少なくなります。…というわけで、今回は鼻、嗅覚を意識してみます。

■■中身は何かな?香り当てクイズ■■
[1] 湯飲み茶碗などに食材を入れる
[2] アルミフォイルで中身が見えないようにフタをする
[3] フタに楊枝でいくつか小さな穴を開ける
[4] 匂いを嗅いで中身が何かを当ててみよう!

 子供たちには、梅ぼしやバナナなどから始めるといいでしょう。ゆずやみつば、しそなど香りに特徴があるものでも、実際には大人でもそう簡単に言い当てられないのです。名前を言い当てるだけでなく、その香りがどんなものか、自分の言葉で表現してみてください。できるだけたくさんの言葉をだしてみた後で蓋をあけます。

 いかがでしたか?ワインの“テイスティング”というと構えてしまう人が多いと思いますが、友達の集まりや、子供同士遊ばせながらなど、一度試してみて下さい。きっと面白い発見があると思いますよ。
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