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食の探偵団
vol.2 色と味わいの関係  

 大人のグループに対してこんな試みをしたことがあります。形は同じで色だけがそれぞれ違う3枚の皿を用意して、これに市販のマヨネーズをのせます。試食をした後、全員にその味わいを言葉で表現してもらうと、さまざまな言葉で、色や味の違いが発表されました。

 でも実は、3つのうちの2つは同じマヨネーズだったのです。最後に種明かしをすると、皆さんとても驚いていました。味わいには、視覚がそれほどに影響しているのです。

 酢を試食した時のことです。フランボワーズ、いちぢく、柿、ココナッツなど、あまり一般的とは言えない酢も加え、8種類ほどあったでしょうか。そしてどれが何の酢なのかをあててもらうことにしました。こうした時には、香りや味そのものの他に、色が大きなヒントになります。ドレッシングや酢の物を作る時に、どの酢を使うかで、できあがりの香りや色、味に相当差がでてくることはいうまでもありません。家でこれだけの種類の酢をそろえるのは難しいと思いますが、たまに冒険して普段使わないような酢を料理に取り入れてみると、食卓の話題にもなり、同じレシピでも違った味わいを楽しむことができます。

 スーパーで売っているイクラや筋子の多くに発色剤が使われていることは皆さんもご存じだと思います。鮮やかな赤い色が消費者をひきつけるからなのでしょう。「着色料無添加」と書いてあるタラコの表示をみると、かわりに発色剤が使われていることもあります。「着色料無添加」の表示に嘘がないとはいえ、消費者をあざむくかのような売り方に、こうした商品を作り、売る人の人格までが透けて見えるようで悲しくなります。

  「食の探偵団」では、食べ物の本来の味、色、香りを大切にしたいと考え、子供たちに試食してもらう時には、極力こうした添加物を加えていない食材を使うようにしているのですが、ものによっては探すのが大変な時もあります。食材をひとつひとつ立ち止まるようにして味わってみることで、五感は鋭敏になると思うのです。食材自体の自然の色を愛で、盛り付け方、食材の合わせ方などを、自らの頭と手を使って工夫していくことで、よりおいしく見せるにはどうしたらよいか考えることを楽しみたいと思うのです。

 今回は、実際に皆さんにも色によって同じ食材がどう見えるかを体験してもらうことにしましょう。どちらがおいしそうに見えますか?
■■おいしそうに見えるのは?■■
<きゅうり>
<黄色パプリカ>
<トマト>
それはなぜ?
どうしてそう思った?
 どちらが正解というのではなく、あなた自身がどう感じるか、おいしそうと思った方を素直に答えてみてください。その後に、それではどうしてそう思ったのかを考えてみてください。

 この回答にはおそらく個人の今までの色の歴史が反映してくることと思います。時間があったら、自分の手持ちのお皿で色々試してみましょう。「この料理だったらどの色が似合うかしら?」そう考える癖がついたらしめたもの。同じ料理でも、盛り付ける皿、あるいは最後に添える葉1枚でも見映えがまったく異なります。肉じゃがや筑前煮に塩ゆでした絹莢をのせただけで、パっと華やかになりますよね。皿の中で料理がしずんで見えた時に、そこに何かを足すことでまったく印象が変わることがあります。季節によってもおいしく見える色は変わるかもしれません。

 繰り返しになりますが、普遍的な「正解」はありません。ファッションと同じです。テーブルで自分らしさを気楽に表現してみましょう。今月はまずは「色」について意識してみませんか。皿、クロス、料理の組合せ…はては食卓を囲む人たちの服まで…。

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