5月28日、横浜市青葉区の若草台地区センターで、3月の第1回に続く2回目の「食の探偵団・大人版」を行いました。1回目は酸味に焦点をあてて、さまざまな酢のテイスティング、4種類の鶏肉料理を酸味を替えて作って食べ比べる変幻自在レシピを中心とした内容でした。
2回目の今回のテーマは雑穀。五穀米など、雑穀ミックスをご飯に炊き込んで食べたことがある人は少なくないでしょうが、あわ、きび、ひえなどを単品で食べたことがある人はあまり多くはないはず。まずは、うるちあわ、もちきび、ひえ、むきそば、ワイルドライスの5種類を鍋でそれぞれ炊き、試食してみました。普段ご飯は炊飯器で炊くという人がほとんどでしたが、鍋で炊くのも「早いし、意外に簡単」という声があがりました。「むきそばはちょっと苦手」という人、「もちきびはお砂糖かけて食べたらおいしいかも」という人、「ワイルドライスって独特の旨味があるわね」と感想を述べる人、とさまざま。その後は、5種類の雑穀を使っての料理に挑戦です。
ワイルドライス入りのチキンスープ、きびとひえ入りのイタリア風お好み焼きポルペッティの焼きトマト添え、あわの中近東風サラダ(タブーリ)、むきそば入りのミートローフがこの日の献立。かなり欲張りメニューで時間内に終わるかちょっと心配だったのですが、あっという間に調理を済ませ、その傍らではすでに洗い物をして鍋を片付けている姿が、、。この段取りの良さは、日々台所仕事をしている主婦だからこそ、と感心。雑穀をたいている間に、最近スーパーで見かけるようになってきたテンペ(インドネシアの大豆発酵食品)をじっくり味わって、感じたことを言葉にするセッション、手触りだけでそれが何かをあてる手触りクイズも行いました。
最後はお楽しみ、試食タイムです。「むきそばの食感がプラスされて、ミートローフがおいしい」と感想を述べてくれたのは、さっき「むきそばは苦手」と言ったその人。子どもたちとの探偵団でも、「**は嫌い」と言っていても、調理法をちょっと変えるだけで、「これならおいしい」と発見してくれる姿はよく目にします。思い込みを捨てて食べてみることが、新たな食の楽しみを発見することになるかもしれません。タブーリは辛くはないのですが、エスニックなスパイスがきいた料理で、「すごく好き」な人と「普段スパイスは滅多に使わないので食べにくい」という人に別れたようです。でもまあ、これは予想どおり。未知の味に出会ってもらうのは探偵団のねらいの1つなので、わざとそういう料理をメニューに入れて反応を見ているというところも実はあるのです。とはいえ、すべて「未知の味」だと困るので、普段の食事に応用しやすい料理を多くはするのですが。「しゅうまいやハンバーグなどの挽肉料理に雑穀を混ぜたら、肉も減らせるし、ヘルシーですよね」とは参加者からの感想。「米は白米」派の夫がいる我が家も、この手で肉を減らし、雑穀を食べてもらっています。
最近では雑穀の栄養が見直され、スーパーでも簡単に手に入るようになってきました。ご自宅でも是非一度、雑穀を炊いてそのままの味を体験してみませんか?
2004年6月 サカイ優佳子