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食の探偵団
vol.13 「食の探偵団」レポート 
      〜 新潟こども自然王国にて 2005.10
 
 2005年の秋は、怒濤のスケジュールといっていいほど忙しく動いていました。というのも6月に食育基本法が制定されたからでしょうか。食育への感心の高まりを感じています。

 通常は2時間程度のワークショップを基本にした「食の探偵団」ですが、普段とはちょっと違った趣向の「食の探偵団」も登場。たとえば、「食の探偵団」のレシピによる食事つき食育イベント、中学生の総合的学習の時間をいただいての「食の探偵団」、地域密着型企業での食育リーダー研修、と「変幻自在レシピ」ならぬ、「変幻自在 食の探偵団」となってきました。それでももちろん、五感を重視する、感じたことを言葉にする、そしてなにより食を楽しもうという「食の探偵団」の基本的スタンスはかわりません。
 何回かにわけて、そのときの食の探偵団のレポートをさせていただきます。
― 食の探偵団が考えた夕食と朝食 ―    
 「モグモグチャレンジ隊」という名前での食育イベントは、春に続いてこれで2回目。前回も参加してくださったご家族も何組かきてくださいました。今回は夜に小児科の先生による栄養学的な講座も大人むけに用意されるなど、まる1日、さまざまな角度から、食について考え、体験するイベントとなりました。
 ここでのイベントの一番の特徴は、土曜の夕食と日曜の朝食を「食の探偵団」から提供したレシピにもとづいて厨房で作ってもらい、それを皆さんに召し上がっていただく、さらにはそのレシピをお持ち帰りいただくというところ。バイキングスタイルで召し上がっていただきました。
 「ラセラヌー」の名前で弁当屋をだすこともある「食の探偵団」。レシピをお配りする以上、家で再現していただけるようにと、簡単に作れる料理を考えました。
 
 夕食のコンセプトは「素材から出る自然の旨味」。ちょっと食べ慣れないかもしれない味もとりいれつつ、野菜たっぷりのメニューで構成してみました。

●夕食のメニュー
いろいろ千切り野菜のスープ/鯛の蒸し煮 ベルモット&ゴマ風味/鶏肉と栗と姫リンゴのフランス田舎風煮込み/大根のハーブグラタン/紫キャベツのライン地方風煮/いろいろお芋のポテトサラダ/きなこのケーキ/玲瓏豆腐(こおりどおふ)甘辛2種

 いろいろ千切り野菜のスープは、野菜を千切りにしてよくよく炒めてからじっくり煮ただけなのに(鶏ガラスープなども不使用)、ダシがよくでて子どもたちがたくさん食べてくれたと驚きの声も。ポテトサラダは、じゃがいも、さつまいも、里芋、それぞれのサラダを食べ比べてもらうという趣向。里芋のポテトサラダは不思議なのびがあり、はじめはみなさん「なにこれ?」と思ったというのですが、「どんぶり1ぱいたべてしまいました」という声もでるほどの大人気に私たちもホッ。玲瓏豆腐は、江戸時代の料理書にあったものを再現したレシピ。当時は酢醤油で食したというので、今回も酢醤油を用意。一方で黒みつもそえ、食べ比べてもらいました。

 最近は、子どもたちが朝食を食べないことが問題になっています。そこで、「食の探偵団」では、

 ・休日によさそうな「残りご飯でご馳走風」
 ・ちょっぴり甘いエスニックな朝ご飯
 ・常備菜で乗り切る普段の朝ご飯

と、いろいろなバリエーションを考えてみました。

●朝食のメニュー
雑穀米のキッシュ/常備菜3種(牛肉とセロリとリンゴの中華風そぼろ、野沢菜と野菜たっぷり豚肉そぼろ、梅、海苔、ゴマのペースト)/チキンスープ/ナガサリ
これにご飯と王国のパンという米パン、ジャム類を用意してもらいました。

 ジャムについては、春のイベントの時にお願いしてつくってもらった茄子のジャムが人気ということで、これも登場。さらにはシェフがその後生姜のジャムも作ってみたら、大人に評判ときき、前日の食の探偵団ではこうしたジャム類をヨーグルトに混ぜて、なんのジャムかをあててもらうというプログラムも実施しました。
 ご飯の友の常備菜としてちょっと変わったそぼろ類を作っておくと朝の準備も簡単という提案で、3種を用意。はじめはご飯にかけて食べてもらい、その後はチキンスープを上からかけてスープご飯にというバリエーションアイディアも紹介しました。
 雑穀米のキッシュは残りご飯でOKの手軽さで、休みの日のブランチにでもどうかなあと考えたもの。イタリアでは残りご飯の使い道としてキッシュを作るときいて作ってみました。
 ナガサリというのは、夏にでかけたインドネシアで朝食にでてきたものを再現してみたもの。バナナと餅米とココナッツミルクを混ぜたところに甘味をつけ、笹の葉(現地ではバナナの葉)で巻いて作りました。おやつとしてもおすすめの簡単レシピです。
 
 食育というと「和食」と限定して考える人も多い昨今。もちろん和食もしっかりおいしく食べるのは大切。でも、ちょっと違う角度から料理をすることで、子どもたちが食べにくい素材も楽しくおいしく食べられてしまうかもしれない。それをきっかけに彼/彼女の食の世界が広がることで、食をもっと楽しめるようになり、結果として和食のよさにも気付くということだってあるはず。そんな思いもあって、いろいろな国のさまざまな味付けを登場させてみた、新潟でのイベントでした。
― ワークショップと食事以外の時間のために用意した食育スタンプラリー ― 
 広い館内を利用して、ワークショップや食事以外の時間に、親子で食に関するクイズを楽しんでもらおうと企画したのがスタンプラリー。
 おやつを選んで、そのカロリーを消費するために必要な運動をしてもらう(草むしり、縄跳びなど)といったものから、中が見えない筒の中に入れた食材をもった感じと音からあてるクイズ、野菜の葉っぱの絵と実とを正しく選ぶと電気がつくしかけのクイズ(このしかけは若いスタッフたちが考えてくれました)、大人むけには、さまざまな料理の名前と料理法とを結び付ける知識問題、などなど。さまざまなクイズを用意して、家族ごとに自由に挑戦してもらいました。全部スタンプがたまった人には、王国からのプレゼントもあったようです。

  
おなじみの加工食品はいったい何からできているの?それぞれの写真をめくると答えがわかります。
どんなおやつを食べたいか、とカードをめくると、中にはそれだけのカロリーを消費するのに必要な運動が書いてあります。さて、キャラメル一つでどれくらいの運動が必要でしょうか?


2005年12月 サカイ優佳子


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