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食育に科学とロマンを

その1 :はじめの1歩  
 「死が近い人間の栄養量って、どのくらい?」。10年前、こんな事に興味がありました。死が近い患者さんが「食べないと死ぬ!」と叫び、気持ちが悪いのに無理に食べものを口に入れていました。それを目の前にした私は「食べなくてもいいよ」と声をかけたかった。でも、食べなくて良い理由を見つけられず、それを伝えられなかった。
興味のはじまりはその時からです。しかし、「患者さんのために」と言いながら、興味はいつしか自分の知を満たす「欲」になっていました。私は自分を偽善者だと思いました。

そんな時、NHKのドキュメンタリー『アインシュタインロマン』を久しぶりに見ました。内容はともかく、アインシュタインの「科学」と「ロマン」が調和した考えは、受け手によって「科学」だけに振り分けられ、一緒にあった「ロマン」は消えてしまったんだなぁ、と思いました。また「ロマンを置き忘れたまま、科学を使って自分の興味を満たす事」、それがどんなに危険なのかもわかりました。

この時から「どのくらいの栄養が必要なのか」という事も大切だけど、「無理に食べようとするのは、どんな思いからなのか」という事も大切だ、と考えるようにしました。

そして今も「栄養」や「食べること」を考える時、「科学」の視点と「ロマン」の視点を忘れていません。
けれども「食育」を考える今、「食育」の何が「科学」で何が「ロマン」なのか、見えてこないのです。時間はかかるかもしれませんが、みなさんとともに「食育」の「科学」と「ロマン」を考え、しっかりとした「はじめの1歩」を踏み出せるように、と思っています。 

土澤 明子 2004年3月

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