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食育に科学とロマンを

その2 :料理という魔法  

子どもたちにとって新しい生活が始まる春は、期待と不安でドキドキです。慣れない環境ではこころにたくさんのストレスがかかります。また、春先の気温の変動にからだが追いつかないことも。元気がなくなったり、学校に行きたくなくなったり、ごはんを少ししか食べなくなったり…と、子どもたちのいろいろな「お疲れサイン」はこんな季節に出てきます。これらのサインを見たらまず
「頑張って」と声をかけたくなるものですが、そこはガマン。あせる気持ちに一呼吸。声をかけるよりも一緒に料理をしてはいかがでしょう。

イライラした時にはいつもより包丁の音が力強かったり、ゴシゴシ何かを削ったり、おろしたりする。出来上がったおいしい料理をみんなで食べると、なぜか気分がスッキリ。料理と食事が気分を晴らしてくれるのです。

「料理をつくる」という行為は思いのほか激しいものです。命ある(った)食べ
ものを包丁で刻んだり、棒でたたいたり、つぶしたり。ハンバーグやパンなどをこねたり、たたきつけたりする時のからだの動きは、まるで格闘技! 料理は、食材や栄養のことを学びながら、言葉にならないモヤモヤ気分を発散できる魔法なのです。

「お疲れサイン」を出す子どもたちは、大人の「頑張って」や「大丈夫」という励ましの言葉が欲しいのではなく、ただ「そこにいてくれる」ということを何よりも望んでいるのです。 自分の安全基地である家族のもとで緊張をゆるめ、充電し、自分を“OK”と思える。そのためには「自分でできた!」と自信がつくよう、静かに子どもを見守ることが大切です。何でもない日常の料理が、子どもと親のこころをつなぎ、明日を支えるエールになります。これも料理という魔法です。

土澤 明子 2004年4月

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