Queen Home_edu
TOP PAGE
レシピ
コラム
レポート
食育BOOK
おいしいBlog
メールマガジン
プロフィール
リンク
コラム
TOP > コラム > 食育に科学とロマンを
食育に科学とロマンを

その13 :コツコツ貯めよう「骨貯金」  

 前回の「Stop!ダイエット」では、中学生の女子生徒が「牛乳を飲むと太るから」と言って牛乳を残している話と、妊娠前の体型がやせ型で、妊娠してからの体重増加が7kg未満の妊婦さんに、低体重児が生まれる割合が高く、その赤ちゃんは、乳幼児期に病気にかかりやすかったり、成人してからは生活習慣病になりやすかったりする、というお話をしました。今回は、ダイエットが与える骨への影響を考えてみます。

 骨の組織がスカスカになってもろくなり、腰痛や骨折、寝たきりになってしまう「骨粗しょう症」は、社会の高齢化とともに注目されている、おじいさんよりもおばあさんに多い病気です。それは、女性ホルモン(エストロゲン)には、骨を守り、強くする働きがあるのですが、閉経すると女性ホルモンが減ってしまい、骨が弱くなるためです。ところが近頃、閉経を迎えていない女性でも、骨の組織が弱くなる人がいるようです。

 最近は骨密度が正確に測れるようになり、骨をぎっしり貯めて最も骨密度を高め、強くする「骨貯金」の時期がわかるようになりました。1992年に外国で発表された「10代の腰椎骨密度の年間増加量」の研究では、初経が始まる10〜11歳頃からグングン骨の量は増え始め、13〜14歳で骨の増加するスピードは最も大きくなる。その後、緩やかに17〜18歳まで骨は増加し続けますが、20歳以降、どんなにカルシウムをとっても骨の量はたくさん増やせない、という事がわかりました。つまり、骨貯金のチャンスを逃さず、どんどん骨を貯めて強い骨になるか、あるいは、栄養素不足で骨貯金の少ない弱い骨になるか、わかれ道は思春期にあるのです。だから、そんな大事な時期に不必要なダイエットをして、骨貯金のチャンスを逃してはダメなのです。

 骨をつくる栄養素といえばカルシウムですが、単にカルシウムをとれば良いというものでもありません。骨をつくるためには、タンパク質やリン、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンDやビタミンKなど、いろいろな栄養素が必要ですし、運動や日光浴だって欠かせないのです。

 身長が伸び止まったからといって、骨の成長は終わったわけではなく、次は目には見えない骨の中身、密度を高くしているのです。くれぐれも不必要なダイエットして一生の健康を無駄にしませんように。

土澤 明子 2005年6月

TOP PAGE