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食育に科学とロマンを

その15 :グーグー早寝で、大きくなるゾ!  

 夏休みが終わって、ひとまわり大きくなった子どもたち。2学期になると、給食もたくさん食べてくれるようになります。それをニコニコ喜んでいるのもつかの間、朝から疲れた様子の子どもが、チラホラいるではありませんか。もしかすると、夏休み気分が抜け切らない、宵っ張りの朝寝坊さんかもしれません。

  私たちのからだには「サーカディアンリズム」というものが備わっており、「夜は眠って、昼は起きている」という1日のリズムを作り出しています。なのに、宵っ張りの朝寝坊さんになって、その本来のリズムを崩してしまうと、何かと問題があるようです。

  からだの修復や発育にかかわる成長ホルモンは、入眠から3時間くらいをピークに、夜寝ている間たくさん分泌されます。また、病気の回復のために働くリンパ球も、寝る前から高くなります。「寝る子は育つ」と言われる所以です。この大切な夜の眠りを促すのが、抗酸化作用や性早熟防止作用をもつと考えられている「メラトニン」というホルモンです。「メラトニン」は、暗くなると分泌されるホルモンなので、夜なのに光があたると分泌が抑えられてしまいます。つまり、宵っ張りの朝寝坊さんは、「メラトニン」の分泌が低下するということです。

  日本学校保健会の「平成4年度児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告」によれば、小学3・4年生の約30%、5・6年生の約40%、中高校生の約60%が、「昼間から眠い、睡眠不足だ」と感じています。これは、夏休み明けに限ったことではないのですから、困ったことです。朝ごはんも十分食べていないのでは、と心配になります。朝ごはんをしっかり食べないからだは、血糖値が下がり、脂肪酸は上昇し、空腹中枢が刺激されています。この状態は、お腹の空いた動物が、獲物を狙う攻撃態勢です。そんな生理的に不安定な状態では、イライラしてしまって、学校生活を楽しめません。

 どうでしょう、宵っ張りの朝寝坊さんに得な事はないようです。夏休みに限らず、本来のからだのリズムを崩さないために、暗い夜はグーグー眠るのが一番!そして、朝ごはんをしっかり食べ、元気に遊んで、大きくなるゾ!

土澤 明子 2005年8月

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