←この写真何だと思いますか?
ヒント1、給食のメニューです。
ヒント2、魚です。
どうでしょう、わかりましたか?
実はこれ、給食の主菜「ししゃもの二色揚げ」の残食です。この発掘作業さながらの芸術的な作品を見た私は、残食の多さに悩みつつも、「私には出来ない!スゴイ!」と感心するばかりでした。製作者は結局わからないままですが、あまりの感激に慌てて写真を撮りました(見にくくてスミマセン)。
魚を苦手とする子どもたちのなかには、そばに寄って励ますと、パクッと食べて、ニコッと笑う子どももいれば、いじくりまくって、ようやく一口食べる子どももいます。また、箸の先でツンツン突付いて、お皿の端に追いやり、結局食べない子どももいます。確かに、栄養素の豊富な魚を食べられるに越したことはありません。しかし、魚を苦手とする子どもたちが、手でつかんだ魚をトレーの上で動かして、「泳いでるよ!見て見て」と喜んでいる想像力や、「飛んだ!飛んだ!」と、魚を箸でつまんで高く持ち上げる箸使いの上手さ、そして、素晴らしい魚の標本を作り出す技があることを教えてくれるのです。だから、「食」のマナーの教育のために「残しちゃいけない」とか「食べもので遊んではダメ」などと言うものの、子どもの「食」の何が悪くて何が良いのかなんて、そう簡単には決められないなぁ、と思うのです。
新聞社も忘れ、内容も不確かなのですが、随分前の新聞の投稿欄にこんな話が載っていたのを思い出します。投稿者のお母さんは、子どもがテーブルの上に牛乳をこぼしたので、怒りながら牛乳を拭きました。すると、子どもが悲しそうに「地図が消えちゃう」と言いました。お母さんは、「こぼれた牛乳を見てそんなことを考えていたんだ」と子どもの想像力に感動しつつ、怒った自分を反省していました。
この反省は、何もこのお母さんだけではなく、大人みんなの反省でもあります。イライラした気持ちを抱えるのは大変なことですが、怒りはちょっと横に置き、子どもの世界に出かけてみる。そして、子どもが何を見て、何を考えているのかをちらっと見たなら、怒り方も変わってくると思います。さぁ、怒る前に「子どもの世界にいざ出陣!」
土澤 明子 2005年10月