猛暑のためか、今年はアルコール飲料がとてもおいしく感じます。毎日晩酌を楽しみに帰宅するAさんもそのうちの1人です。
ところが健康診断で、「血液中の中性脂肪や尿酸の値が高いから、アルコール飲料を控えましょう」と医師から言われ、Aさんは悩んでしまいました。晩酌は続けたいし、健康は気になるし、と、身が引きちぎられる思いです。そこで・・・・・ひらめいたのが「焼酎の特定保健用食品(飲料)割り」です。つまり、“食後の中性脂肪が上昇しにくい”と表示されたお茶で焼酎を割るのです。これなら健康に配慮しつつ、晩酌が出来る画期的な飲み方だと大満足です。
居酒屋さんでは、コラーゲンやコエンザイムQ10入りのフルーツ味のチューハイが、女性に人気があるそうです。お味のよさはもちろんのこと、美容に配慮しながら飲んでいるようにも思えます。しかし、このような配慮が、からだにイイことをしたという免罪符にはなっても、中性脂肪や尿酸の値が改善したり、美容効果を得たりするとは考えられません。
アルコール自体にもエネルギーはありますから、飲み過ぎればエネルギーは余り、中性脂肪を増やします。また、アルコールは尿酸の合成を促進するとともに、尿酸の排泄を阻害し、尿酸値を上昇させます。
といっても、その人の生活の質を考えると、「禁酒」よりも「たしなむ程度」に飲酒量を変えていくのが現実的だと思います。
「たしなむ程度」とは、ビールなら500ml、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯、焼酎なら1/2合、ウイスキーならダブル1杯ほどになります(個人差があるので、あくまでも目安です)。
健康に配慮した特定保健用食品も、その利用方法や摂取する量によっては健康を害します。今回のような画期的発明によって飲酒量が増えてしまえば、発明どころか様々な病気を発病してしまいそうです。“画期的な発明”も「たしなみ程度」にしましょう。
土澤 明子 2007年9月