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食育に科学とロマンを

その31:食べなきゃ痩せぬ、このからだ

 
 

「起きられない」あるいは「食べる習慣がない」といった理由から、朝食を抜いてしまっている方へ「めざましごはん」を今年の誓いにと、前回提案いたしました。ところが、朝食を抜いて減量する方への声かけを忘れてしまったので、今回は減量と朝食についてお話しさせていただきます。

私たちのからだは、食事をするとポカポカしてきます。それは、食べたものを消化、吸収するためのエネルギーが出ているからです。この食べると体温が上がるからだの働きを「食事誘導性代謝」(または「特異動的作用」)といい、1日に消費されるエネルギーの約10%とされています。そして、1日3食の人と2食の人とでは、2食の人の方が食後の体温上昇が弱く、エネルギーが消費されにくいという実験結果があります。

神奈川県立保健福祉大学の中村丁次教授らは、もともと朝食抜きの習慣の人に朝食を食べてもらった1日3食のグループと、朝食抜きの1日2食のグループをつくり、双方の生活条件を同じにしてからだの変化をみました。

その結果、1日3食のグループは、朝食に牛乳だけを飲み始めた最初の1週間に緩やかな体重減少が見られました。そして、しっかり朝食を食べた2週目には、さらに体重は減り、皮下脂肪も減っていく傾向にありました。また、血液の状態を見ると、体脂肪の合成を促進するインスリンが一時的に増加したものの、その後は低下していきました。一方、体脂肪の分解を促進するグルカゴンは増加傾向にありました。

もう1つの朝食を抜いた1日2食のグループには、目立った体重の変化はありませんでしたが、皮下脂肪が増える傾向にあり、食後の体温の上昇が弱く、エネルギーが消費されにくいことがわかりました。


つまり、1日の摂取エネルギーを減らそうとして朝食を抜くと、上手く減量できないどころか、体重の減りにくいからだになってしまうということです。だから、減量に適したエネルギー量を朝食も含めて1日3回、栄養素のバランスをととのえて食べることが減量の秘訣です。

土澤 明子 2008年2月

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