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食育に科学とロマンを

その41:骨折り損の優しさ儲け?

 
 

「また折れちゃった」と、電話口からすまなそうな声が聞こえてきます。
わが母、今年2度目の骨折です。

1度目は、春の訪れを知らせる梅を眺めながら転倒し、手首をポキッ。そして2度目は、色あざやかな紅葉に見惚れて蹴つまずき、鎖骨をボキッ。自然の美しさにこころ奪われると、足元がおぼつかなくなる年齢なのでしょうか。そうだとしても、骨が折れやすくなる骨粗鬆症かどうかを調べる必要がありそうです。

骨粗鬆症とは、大根や胡瓜に入った「ス(鬆)」のように、骨の密度が低くなり、スカスカになった状態をいいます。骨粗鬆症になると骨折しやすくなり、高齢者が太もものつけ根や背中の骨を骨折すると、そのまま寝たきりになることも多いのです。ちなみに、寝たきりとなる原因の第3位となっています。

ところで、成人すると骨は固まり、変化しないように思われていますが、実は変化し続けています。骨はしなやかさを保つために、古い骨を「こわす」作業と、新しい骨を「つくる」作業をくり返しながら、1年間に骨全体の2〜30%が生まれ変わっています。この「こわす」と「つくる」のバランスが崩れ、「こわす」作用が「つくる」作用を上回ってしまって、骨粗鬆症が起こることが多いのです。

また、骨を守ったり、強くしたりする働きをもつ女性ホルモンが、閉経すると減ってしまい、骨が弱くなります。そのため、骨粗鬆症は50〜60歳の間に進行すると考えられています。

骨粗鬆症かどうかは、超音波やレントゲンで骨密度を測定するとわかります。骨密度の検査は整形外科などの病院や、市町村の検診などで行われています。

さて、骨密度検査の結果、母の骨はスカスカではありませんでした。ということは、筋肉の衰えとからだの硬さが、転倒骨折につながったのだと考えられます。そこで、私は筋力UPと柔軟性やバランス感覚を養うトレーニングを“厳しく”指導しました。それは、最後まで自分の足で好きなところに行き、自分の手で自然を感じ、楽しめるように、と願う、娘の深い優しさなのですよ。お母さん。
土澤 明子 2008年12月

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