Aさん:「決めたんですよ。揚げ物の日。毎週金曜日です」
私:「前回『揚げ物は週1回を目安に召し上がるといいですね』と申し上げたので、早速取り組んでくださったんですね。嬉しいです。お付き合いの時の食事って揚げ物がいっぱい出てきますものね。週末のお付き合いに合わせて揚げ物の日とは、いいアイデアですね」
Aさん:「えっ?!全然違いますよ。そんな高尚な理由じゃありませんって。金曜日はFridayだからフライの日。揚げ物が多過ぎていつ食べたか忘れちゃうんでね。だからフライの日はフライデーなんですよ」
私:「すみません。勝手に決めつけてしまいました。それにしても“金曜日はフライデー”とは、何とわかりやすくて、忘れにくい言葉なんでしょう」
Aさん:「“金曜日はフライデー”を実行して1ヶ月、揚げ物が今までみたく食べられなくなりましたよ。食べると胸やけがするし、胃がもたれるし、顔もギラギラするし。何しろ食べたいと思わないんだから。今思えば、どう考えても油の摂り過ぎですよ(笑)」
「油脂の摂り過ぎに気をつけましょう」、という呼びかけを、どなたも耳にしたことがあると思います。成人の摂取エネルギーに占める脂肪エネルギーの適正摂取比率は、20〜25%とされています。ところが、国民健康・栄養調査の結果によれば、脂肪エネルギー比率30%以上の者の割合が、20歳以上の男性で約2割、女性で約3割を超えています。また女性においては、脂肪エネルギー比率30%以上の者と25%以上30%未満の者とを合わせる(適正摂取比率を超えている者の合計)と、5割を超えます。油脂の摂り過ぎが気になる皆様、“金曜日はフライデー”をご一緒にどうぞ。
ところで、油脂の摂り過ぎに気をつける食事だけでなく、どんな食事療法も教科書通りには運びません。教科書通りにならない、わかっちゃいるけどできない。私はそれが“普通”だと思っています。だからといって放ってしまってはいけませんので、来談者ご自身が生み出す食事療法のアイデアを実践につなげ、またそれを楽しみながら続けてもらえるよう、お手伝いしていきたいと思います。