日本人女性の20人に1人が乳がんに罹り、その死亡者数は毎年1万人を超えています。欧米の乳がん検診率は75〜80%ですが、日本は約14%です。この低い検診率が、死亡者数の増加の理由に挙げられています。増え続ける乳がん死亡者に歯止めをかけようと、早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える「ピンクリボンキャンペーン」が行われています。
さて、私も先日乳がん検診をしました。乳がん検診には、マンモグラフィという乳房のレントゲン検査と超音波(エコー)検査があります。マンモグラフィも超音波検査も、目では見えない、あるいは手に触れないような数ミリのしこりを見つけることが可能な検査です。私は毎年検査しているので、今年がんが見つかっても、たぶん早期発見です。といっても、やはり検査の結果がわかるまでは不安です。
乳がんの症状として、しこりや痛み、血の混じった分泌物が出る、乳首のただれ、皮ふのくぼみなどがあります。しかし、乳がんの初期に体調が悪くなったり、やせたりするなどの全身症状はほとんどないと言われています。
また、乳がん細胞はゆっくり進行することが多く、直径1cmになるまで10年ほどかかるとされています。ところが、なかには増殖のスピードが速い細胞もありますから、年に1度の検診が大切です。がんが見つかった場合でも、2cm以内のしこりで、リンパ節に転移がない早期がんならば、ほとんどが治ると言われています。だから、早期発見が重要なのです。
それから、もしもしこりを見つけて悩んでいるならば、
「乳がん治療の考え方と技術は大きく変っています。がんはできるだけ早く治療したほうがいい病気です。けれども1日2日を争うものではなく、1ヶ月くらいは考える時間があります。その時間を活用し、納得のいく治療法を医師とともに選択されることを願っています」
と言う、聖路加国際病院の中村ブレストセンター長の言葉をたよりに、勇気を出して受診して欲しいと思います。
TBSでは「いつか…じゃなくて、今、行こう!」をスローガンに、ピンクリボンキャンペーンを行っています。とてもいい言葉です。「行かなきゃ」と思いつつ、先延ばしにしていたあなた、思い立ったが吉日ですよ。