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食育に科学とロマンを

その48:愛の任務

 
 
食育コラム:食育に科学とロマンを

「60歳で退職しました。
自分の趣味を楽しみたかったんで辞めました。
しかし、妻がまだ現役で働いているもんですから、家事がついてきたんですよ、家事が。
料理なんてしたことないのに、毎日ですよ。どう思います?」

どう思うかを問われ、“自分は趣味を楽しんで、食事は今まで通り任せっきり。それは都合がよいというものでしょう”という悪魔の囁きをグッと飲み込み・・・満面の笑顔で「料理で困っていることは何ですか」と尋ねてみました。

すると、「調味料の使い方がわからない。さしすせそって言うじゃない。この順序で入れれば何でも作れるはずでしょ。なのに “せ” と “そ” が何のことだか分からないから全部入れてない。だからいつも変な味になるんだよ」と。
う〜ん・・・そうきたか・・・と頭をかかえ、汗をかきつつ、「さ・し・す・せ・そ」の説明をしました。

料理の味付けは「さ・し・す・せ・そ」の順番で、と、昔から伝えられています。この順序で入れると、おいしい味付けができると言われています。 “さ”は「砂糖」、“し”は「塩」、“す”は「酢」、“せ”は「しょうゆ」、“そ”は「みそ」です。

塩は砂糖よりも粒が小さいので、塩を先に入れてしまうと、材料に塩が入り込んで、砂糖がしみ込みにくくなります。だから、砂糖が最初で次は塩。酢、しょうゆ、みそを、砂糖や塩よりも後に入れるのは、香りを大切にしているからです。しかし、最初からみそを入れる芋やサバのみそ煮などもありますから、順番がいつも同じとは限りません。

つまり、「さ・し・す・せ・そ」は、料理をおいしくするコツを教えているのであって、「砂糖」、「塩」、「酢」、「しょうゆ」、「みそ」の順番で、全て入れれば、どんな料理も完成するということではないのです。

ところで、家事を任せて働くこの奥さま、かなりの知恵者でいらっしゃる。私たちが生きている限り、いつ何が起こるかなんてわかりません。家事が必要に迫られないとも言えません。大切なパートナーが有事の時に苦しまないために、与えた任務だと思います。

 

土澤 明子 2009年7月

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