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食育に科学とロマンを

その53:MOTTAINAI〜もったいない

 
 

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昨年末もらい火による火災に遭いました。火事の後始末では、もちろん冷蔵庫の中に入っていた食料品も廃棄しなければなりません。まったく手つかずの食べものを、こんなに棄てるのは生まれて初めてだったので、食べものたちに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして「あぁもったいない、もったいない」とつぶやきながら、何とも表現し難い思いでごみ袋にひたすら詰め込んでいきました。本当にもったいなかった…。食べたかった…。

その後、環境問題の仕事をしている友人に火事の話をしたら、手つかずの食べものは日常でも結構捨てられているのだと教えてくれました。そして一枚の画像を見せてくれたのですが、これにビックリ。

この画像は、80世帯3日分の燃えるごみの中から集められた、手つかずの食べものです。これでいったい何人分の食事が作れるでしょう。食べものを粗末にしていることに悲しみを感じます。計画的に食べものを購入していれば捨てずに済んだでしょうし、納豆のタレやしょうゆだって捨てずに使う方法は色々あると思います。

環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんが、日本語の「もったいない」という言葉に感銘し、「MOTTAINAI」を世界に広めたいと言っていました。この世界的不況の中、私たち日本人は他の国に比べて豊かなのでしょうか。手もつけず食べものを捨てるだなんて、食料に対する危機感も乏しいように思います。

私たちの命はもちろん、食材をはじめ、私たちをとりまく環境にあるモノ(資源)には限りがあります。このことを、お腹の底からわかっているとは思えません。病気になって、余命を知れば、命が惜しくなるものですし、からだの一部を切除する時には、長年共にした自分自身のからだが今まで以上に愛おしくなるものです。お金だって限りがあると思えば、無駄使いをしないで節約します。こんなふうに、資源というものを、一番身近な資源である自分のからだやお金に置き換えて考えれば、きっとわかるはずです。命には限りがあり、資源やお金は無限ではないということを。

 
土澤 明子 2010年1月
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