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食育に科学とロマンを

その55:春色季節を召し上がれ

 
 

桜の季節がやってきました。花見が待ち遠しい今日この頃。私は毎年、春をそこに感じた時から、八重の桜が散る頃まで、あちらこちらの桜餅を味わっています。それにしても、どうして飽きずにくり返し桜餅が食べられるのか考えてみました。そして、以外と簡単にその答えがわかりました。

桜餅には、食感の異なる関西上方風と関東江戸風の2種類があり、見た目のコントラストは同じでも、形や味、食感は別もの。だから、飽きずに楽しめるのでしょう。そういえば、ものによっては、桜の葉っぱの色が微妙に違うように思います。こちらも調べてみることにしました。

では、それぞれの特徴を整理してみます。関西上方風は、蒸した餅米を乾燥させてから荒めの粉にした道明寺粉を使います。このプチプチした食感の道明寺粉の生地にあんこを包みます。おはぎのようです。一方、関東江戸風は、ピンクに色付けした小麦粉や白玉粉の生地を薄焼きにして、その生地が冷めたら、くるくるっとあんこを包みます。和風クレープのようです。

どちらも、独特の香りをもつ桜の葉っぱの塩気が、あんの甘みを引き立ててくれ、塩キャラメルに負けない絶妙な味をつくりだします。葉の色については、収穫地や樹の種類による違いではなく、加熱によるもので、青葉は色がきれいですが、香りは茶葉より劣るようです。

また、この桜の葉っぱに含まれるクマリンという成分には肝毒性があり、以前は殺鼠剤として利用していたといわれていますので、大量摂取は控える必要があるようです。といって、桜の葉をはがして、主役の餅とあんこを食べ過ぎれば、これまた健康を害します。

エネルギーを見てみると、関西上方風道明寺粉タイプは、約60gで190kcal程度、関東江戸風は、約50gで150kcal程度のようです。作り方や分量は様々ですから、あくまでも目安としてください。

うぐいすの声を聴きながら、春色季節を味わって、こころとからだがワクワクしますように。

土澤 明子 2010年3月

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