Vol.26 2005/03/29 http://jqueen.com/shokuiku/
今週のレシピ 特集 食育BOOK プレゼント 編集後記
rie: お互い、無事に小学校の卒業式が終わりましたね。 6年前を思うと、よくぞここまで成長したものだと感慨深いです。中でも卒業式で、先生方が子どもたちのために涙ながらに歌ってくださった合唱がとっても感動的でした。
mina: 感動もしたけど、私は正直、かなり疲れました…。何しろ朝から、息子の着付け(?)作業でバタバタだったから(笑)。すんごい昔にやったきりで、ネクタイのしめ方忘れてて、大騒ぎになったし、革靴が痛いと騒ぎ始め、途中でスニーカー取りに戻ったし。せっかく上から下まで新調してやったのに、これだもの…。
rie: それはお疲れさまでした〜。ウチの娘は、中学入試の親子面接用に揃えた洋服があったからよかったです。
mina: しかし、袴がいたり、制服がいたり、セーターがいたりするのかと思いきや、男子全員、ビシッとブレザー&ネクタイで決めていて、びっくりでしたー!
rie: それはステキ!みんないつもと違って、カッコよかったでしょ?4月に入ると、いよいよ真新しい制服に身を包んで入学式、楽しみですね。
mina:

あ〜でも、ウチの息子ったら、早起きできるんだろうか。私も朝のお弁当作りが始まるんだわ…。rieさん、お互いがんばりましょーね!

春キャベツのパスタ レシピはこちら
春キャベツのパスタ
「まるごと食べて、まるもうけ」

 春、新しい環境に慣れるまでの毎日は、ストレスをたくさん感じます。いつもの元気がなくなって「気持ち悪い」とか「胃が痛い」などの声も聞こえてきます。そこでオススメしたい食材がキャベツです。

 キャベツの芯の部分には、胃の薬の名前にもなっている「キャベジン」と呼ばれるビタミンUがたくさん含まれています。このビタミンUには、傷ついた胃腸の粘膜を修復する働きがあります。また、抗ストレス作用でおなじみのビタミンCも芯の部分や外側の葉に豊富に含まれています。だから、捨てるなんてとんでもない!キャベツをまるごと全部いただいて、ビタミンたちをまるもうけ。

 卒業や入学、進級の春は、新しい環境に慣れないため、こころとからだのバランスが崩れやすい時です。私たちの生活からストレスをなくすことは出来ませんし、ストレスがすべて悪いというわけでもありません。ストレスは、生涯つきあうお友達。生活のリズムをととのえて、上手に仲良くつきあいましょう。


レシピ提供:サカイ優佳子
賢脳の秘密:土澤明子
土澤先生コラム 「食育に科学とロマンを」   
■第10回 「食」の扉の向こうから

 「えいようし つちざわ なんだよ」。小学3年生のAさんは、給食の時間になると笑顔いっぱいにやって来て、こんな乱暴な言葉を投げかけるのです。そして私はAさんに、「質問する時に、そんな言葉を使うのはおかしいね。『栄養士、土澤さん、今日の給食は何ですか』って聞こうね。今日の献立は○○ですよ」と来る日も来る日も同じセリフを言い、それを聞いたAさんは、給食の見本をながめてから教室にもどります。

 今はパターン化されていますが、最初からそうだったのではありません。始めは、「えいようし つちざわ なんだよ」の「なんだよ」の意味が理解できず、ケンカを売る「ナンダヨ!」だと思いました。しかし、Aさんの満面の笑みが挑発だとは思えず、「なんだよ」の意味を考えました。すると、「あぁ、今日の献立は『何だよ』ってことか」と思いついたのです。そして「なんだよ」の部分を「今日の給食は何ですか」に翻訳してみたのです。

 子どもは、いつでもどこでも様々なメッセージを私たち大人に投げかけています。それは、食卓をはじめ「食」をとりまく場面も例外ではありません。また、投げかけている言葉やしぐさが、思いをそのまま伝える直球とも限りません。日常の中で起こる様々な出来事に動揺し、感情のコントロールが上手くつかないこともあります。また、人との距離が上手くとれずにいることもあります。そんな子どもたちが、自分のこころのメッセージを思うように投げられない時にこそ、キャッチする側は、「どこに投げてきても受け止めるつもりでいるよ」というサインを出したいものです。それは、子どものメッセージを受け止めることが出来るかどうか、上手く理解出来るかどうか、ということではないのです。むしろ、子どものメッセージを受け止めようとする人が「ただそこにいる」ということが重要なのです。

 頻繁にひと口だけ飲み残した牛乳を返しに来る子ども、友達とふざけているわけでもないのに、みかんをグーの手で思いっきり叩き潰す子ども、何のためらいもなく、嫌いな食べものを床に捨てながら食べる子ども、「食」の扉を開くとこんな姿があり、様々な子どものこころが感じられます。「食」の扉の向こうには、言葉にならない思いがあふれているのです。そんなモヤモヤした気持ちを抱える子どもに、「『食』に開いた扉の向こうにどんな思いがあるのか」、「『食』の扉を通して何を伝えようとしてくれているのか」という視点を持ってかかわれば、きっと扉の向こうから言葉にならない思いを伝えてくれると思うのです。

 だから、Aさんの乱暴な言葉使いを何とかして早く直そうとするよりも、来る日も来る日も同じように注意をしながら、かかわり続けることに意味があるのだと思えます。「えいようし つちざわ なんだよ」に込められたAさんの思いを知ろうとしつつ、あきるほどにかかわり続けていたら、きっといつの日か何食わぬ顔で「栄養士、土澤さん、今日の給食は何ですか」と言ってくれるのだと思っています。


2005年3月 土澤 明子

 『児童心理』 2005年4月号 臨時増刊No.822  

さすがは、子どもの心と教育の専門誌「児童心理」の臨時増刊号。
読み応え満点です。今、どんな「食育」が必要なのか…について、大学や小学校の先生、医師、栄養士、シェフ、ジャーナリストなどなど、さまざまな立場の人たちがさまざまな提案をしていて、とても興味深く読めます。
サカイ優佳子さん、土澤明子さんのお二人も執筆者として名を連ねています。

出版社:金子書房
書籍名:「児童心理」2005年4月号 臨時増刊No.822 
      子どもの心をはぐくむ「食育」の考え方と実践
価格:1,020円 (税込)


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頭が良くなるかも?プレゼント当選者発表!  

今回も「頭がよくなるかも?プレゼント」に、たくさんのご応募をいただき、本当にありがとうございました! 抽選の結果、以下の方々が当選となりました。おめでとうございます。次回のプレゼントもお楽しみに。

 書籍「プロの食材 産地直送・絶品レシピ」(朝日新聞be編集部編)
 1575円(税込価格)

  当選者(2名) 「のんのんのん」さん  「けいはは」さん


 土澤さんの「賢脳の秘密」にもあったように、春は卒業、入学、進級の季節。我が家の娘も中学に入学します。子どもたちが新しい生活のリズムに早く慣れることができるよう、親も協力してやりたいものですね。

 ところで「成績のいい子は必ず朝食を食べている」という調査結果があるとか。朝食をしっかり食べることの大切さはよく分かっているつもり。でもお弁当作りがあると、つい朝食の準備がおろそかになりがちな私なので(苦笑)、子どもたちのためにも気をつけようと思います。

 次回のレシピは『あさりと豚肉の簡単煮こみ』です。おたのしみに!

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