Vol.38 2005/09/16 http://jqueen.com/shokuiku/
今週のレシピ 特集     編集後記
mina: 土澤さん、読者から「家の娘は中2です。最近太るからといって牛乳を飲む量が減りました。私も牛乳の飲みすぎは太ると思っていたのですが、違うのでしょうか?」という質問をいただいてました。そこでお尋ねしたいんですが、実際、牛乳で太るものなのでしょうか?
土澤: 人間は、必要とするエネルギー以上に、飲んだり、食べたりすると、余ったエネルギーは皮下や内臓周囲に体脂肪として溜まります。この体脂肪が異常に多い状態を肥満と言います。だから、牛乳そのものが太る食品ということはなく、1日の摂取エネルギーが必要エネルギーより多くなるから太るんですよ。
mina: この娘さんは、以前は1日に1リットルほどの牛乳を飲まれていたようです。このぐらいは大丈夫ってことでしょうか?
土澤: 牛乳1リットルのエネルギーは670キロカロリー。それは、中学2年生の女子が必要とするエネルギーの約1/3です。ということは、1食分のエネルギーを牛乳だけで摂ったことになります。
mina: それじゃ、1リットルは摂り過ぎでしたか?
土澤: 成長期にカルシウムを十分摂取するという意味では悪くないのです。でもエネルギーに着目して考えれば、多い気もします。カルシウムは、牛乳以外の乳製品や小魚、豆腐、緑黄色野菜などからもとれますから。カルシウムを様々な食品から摂るようにすると、栄養素が豊富になり、バランスもよくなるので、そちらをオススメします。このお嬢さんの場合、エネルギーが過剰にならず、カルシウムもしっかりとれる量は、給食の分も含めて1日600cc(※)くらいだと思います。
mina: 意外に少ないのですね。うちの13歳の息子ならどのくらいでしょう?
土澤: 実は、これまで皆さんの栄養量を決める基準となっていた「栄養所要量」が、2005年から「食事摂取基準」に変わり簡単にはお答えできなくなったのですよ。「栄養所要量」と「食事摂取基準」の大きな違いは、「栄養所要量」は集団に対し栄養の欠乏がないようにするのが目的だったのですが、「食事摂取基準」は、それに加えて個人も対象にし、生活習慣病の予防をも
目的にしています。
mina: 栄養欠乏どころか、肥満から子供でも生活習慣病になる時代ですもんね。
土澤: だから、必要な栄養量が知りたい時には、性別、身長、体重、運動強度、生活内容、身体計測等から栄養状態を評価、判定する必要があります。ですので、栄養量の疑問があったら、お近くの医院の管理栄養士さんに相談することをオススメします。
(※)この摂取量は、対象者の身長体重などのデータに基づき算出しています。すべての中学2年生女子に当てはまるものではありません。
砂肝の中華煮 レシピはこちら
砂肝の中華煮
「Let's食養生 食性編2」

中国陰陽五行説をもとにした食養生は、からだを冷やす「寒性」の食べものを「陰」とし、温める食べものを「陽」とします。さらに、「寒性」と「温性」を作用の程度により、五性という「寒・涼・平・温・熱」の5つの性質に分けます。五性のなかの寒と涼、熱と温は似たもの同士で、より寒性が強いものが寒、弱いものが涼となります。一方の熱と温も同じで、より温性の強いものが熱、弱いものが温です。

コリコリ固い砂肝は、キジ科の鳥が持つ胃袋の筋肉で、ほかの内臓のような臭みが少なく、食べやすいものです。この砂肝、食養生では「平」に分類されます。平性は、寒性でも陽性でもない、穏やかな性質の食べもので、頻繁に使われる穀類や芋類、豆類などに多くみられます。一説には、食べものの70%が平性だと言われています。

また、砂肝は鶏内金という漢方薬でもあります。胃液の分泌を促進したり、消化機能を調節したりする働きをもつので、胃・十二指腸潰瘍などの治療に使われます。まさに「医(薬)食同源」。砂肝に限らず、薬と食べものに、区別はないのです。

レシピ提供:サカイ優佳子
賢脳の秘密:土澤明子

 土澤先生コラム「食育に科学とロマンを」

 

■その15 :グーグー早寝で、大きくなるゾ!

 夏休みが終わって、ひとまわり大きくなった子どもたち。2学期になると、給食もたくさん食べてくれるようになります。それをニコニコ喜んでいるのもつかの間、朝から疲れた様子の子どもが、チラホラいるではありませんか。もしかすると、夏休み気分が抜け切らない、宵っ張りの朝寝坊さんかもしれません。

  私たちのからだには「サーカディアンリズム」というものが備わっており、「夜は眠って、昼は起きている」という1日のリズムを作り出しています。なのに、宵っ張りの朝寝坊さんになって、その本来のリズムを崩してしまうと、何かと問題があるようです。

▼続きはこちら

4年ぶりに長いお休みをいただき、ロンドンへ行ってきました! 私は一時期、英国企業に勤めていたのですが、スタッフが皆、出張から戻るたび「ロンドンは食べ物がひどい!」といっていたのです。そこで今回は初渡英ながら、食についてはまったく期待していませんでした。ところが、何を食べてもおいしいのですよー!なんでも、通貨統合を機に各国で規制が緩和され、EC内で活発にモノが行きかうようになったといいます。イギリスは通貨統合には不参加だったものの、ヨーロッパからおいしい食材を得るという恩恵をうけられたようです。国民だけじゃなく観光客にとっても有難いお話でした♪(mina)

<お知らせ> レシピを提供していただいている、サカイ優佳子さんが「食の探偵団」の ホームページを開設しました。おいしく学べる「寺子屋」など食育のヒントが いっぱい。是非アクセスしてみてください。

▼ 食の探偵団 http://shokunotanteidan.com/

次回のレシピは『セレブな離乳食・黒豆デニッシュパン粥』をお届けいたします。 お楽しみに!

配信先変更・解除はこちら
編集・発行:株式会社クィーン http://jqueen.com/
※本メールに掲載されたレシピ、文、画像の無断転載はご遠慮ください。
(c)Queen Inc. All Rights Reserved.