アスタキサンチンは、トマトやニンジンなどに含まれる赤い色と同じカロテノイドの1つです。とくにエビやカニなどの甲殻類や、サケ、マス、イクラなどの魚類に多く含まれています。アスタキサンチンはもともと海の藻がもつ色素成分で、甲殻類や魚類自身が体内で作り出しているものではなく、藻を食べて蓄えた色素です。ちなみに、タコの色素は仲間ですが、マグロやお肉の赤い色素は仲間ではありません。
では、通常アスタキサンチンにはどんな効果が期待されているのか。それは強い抗酸化作用でしょう。からだの中では毎日エネルギーが作られていますが、その時毒性をもった活性酸素も現れます。もちろん活性酸素は体内だけでなく、大気汚染や紫外線、タバコ、食品添加物などの体外にも発生源がありますが、発生した活性酸素が毒性をもっていても、様々な抗酸化物質によってすみやかに除去されます。しかし、活性酸素の発生が除去に比べて多くなると、からだが傷み、老化がすすみ、がんや動脈硬化を引き起こすと考えられています。そのため、抗酸化作用をもつ成分を摂りましょう、と、いわれるのです。
でも、そもそもエビやカニ、サケが人間に食べられるために生きているわけではないし、人間の抗酸化作用のためにアスタキサンチンを蓄えているわけでもありません。エビやカニ、サケたち自身が過酷な自然を生き抜くために備わった力なのです。だから、この生きる力そのものをわけてもらうためにも、抽出した一部の成分ではなく、生きもとのとして全てを頂戴したいものです。