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■カロリック・リストリクション
現在、抗加齢の分野で話題になっているメカニズムに、カロリック・リストリクション(以下CR)というものがあります。CRは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを確保しながら、総摂取エネルギーを通常の65%程度に落として飼育することをいいます。去年7月、米国のウィスコンシン大学などが大人の霊長類にCRを20年行った研究結果を発表しました。

実験はウィスコンシン国立霊長類研究センターで1989年に始まり、7から14歳の大人のアカゲザル計76匹を半分ずつ2つのグループに分け、片方には好きなだけ餌を与え、もう一方には最初の3ヶ月で餌のエネルギーを約30%減らし、その後もエネルギー制限をしながら飼育しました。サルを観察することはもちろん、定期的に身体組成の測定、血液検査、内分泌機能検査、心臓や脳機能の測定を行いました。また、サルが死んだ後は解剖検査をして死因を調べました。

自由に餌を食べたグループは38匹中14匹(37%)が糖尿病やがん、心疾患、脳委縮などの加齢に関連する病気で死にました。一方、エネルギー制限をしたグループでは加齢に関連する病気で死んだのは5匹(13%)で、制限なしのグループの1/3に止まり、寿命が延びたと判断されました。ちなみにCRで飼育したアカゲザルは1匹も糖尿病になりませんでした。


日本でCRを推し進める医師たちは、ヒトがCRを実践する場合、CRは単にエネルギーを減らせばよいといものではなく、個々の摂るべき栄養素を知り、必要不可欠な栄養素をしっかり摂取しつつエネルギーを抑えるものであること。また、CRの適応は65歳までのすべての成人とされていますが、妊娠中、妊娠希望者、未成年、成長期、摂食障害既往者、主治医に相談し止められた者は適応外であることを十分理解した上で、開始する前には血液検査などを行う必要があると言っています。つまり、専門家の指導を受けずCRを実践することは危険ということですから、興味のある方はかかりつけ医などに相談されてみてはいかがでしょうか。

管理栄養士 土澤 明子
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