Vol.30 2005/06/06 http://jqueen.com/shokuiku/
今週のレシピ 特集1 特集2 読者投稿 編集後記
mina: メルマガ読者プレゼント募集時に「あなたが日頃、積極的に摂取を心がけている栄養成分、機能成分はありますか?」ってお聞きしたこと、覚えてます?せっかくなので、皆さんからお寄せいただいた興味深い回答を、ココでちょっとご紹介させていただきます。
rie: それは興味津々〜。一体、皆さんはどんな栄養成分の摂取を心がけていらっしゃるのでしょう?
mina: まず一番多かったのが「ビタミン類」で、これは予想通りかな。あまり抵抗なく摂ることができそうですし、肌の調子や体の調子を整えるためによさそうですもんね。しっかり摂っていれば、元気になれそう。そして次にほぼ同数で「大豆イソフラボン」が並びました。最近注目されていますよね。これは、女性ホルモンと似たような働きをするもので、更年期障害や生理痛・生理不順の改善、骨粗鬆症の予防などの効果が期待できるんだとか。知ってました?
rie: いえ…。でもそういうことなら、私も年齢的にそろそろ「大豆イソフラボン」 のお世話になった方がよいのかしらん…。骨粗鬆症の予防には、単純に、骨を強くするといわれている「カルシウム」かと思っていたのですが、それだけではないんですね。
mina: もちろん、「カルシウム」を積極的に摂取しているという方もいらっしゃいましたし、その他には、貧血に効果的な「鉄分」を摂取しているという方もいらっしゃいましたよ。女性の読者が多いので、やはり女性ならではのものが多いですかね〜。
rie: なるほど。そてにしても皆さん、とてもオーソドックスというか堅実というか…。女性なら、例えば「αリポ酸」や「L-カルニチン」などのような、流行 り(?)のダイエットものがもっと上位を占めるんじゃないかと、私は勝手に予測してたんです〜。でも、どうやらそんなことはないみたい。さすがは 「食」に興味をお持ちの皆さんですね!
梅シソ春巻 レシピはこちら
梅シソ春巻
「持ち味知って、命とかかわる」

昔から「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、それぞれの特性をよく知らないと、思わぬことが起こります。それは植物だけでなく、子どもや食べものにも言えることです。

かわいらしい花が咲き、おいしい実をつける梅は、自分の身を守るため、核にアミグダリンという青酸配糖体の毒を持っています。未熟な実は、核が柔らかいため、簡単に噛み砕けてしまいます。梅のもつ特性を知らずか、未熟な実を口にした青酸事故が、かつては報告されていました。しかし、現在市販されている梅は、完熟に近いので心配いりません。なおかつ、梅酒や梅干しにすれば、1ヶ月ほどで毒性はなくなりますから、中毒にはなりませんのでご安心を。

さて、梅と聞くと梅干しが思い浮かび、その酸っぱいイメージに唾液が出てきます。この酸っぱさの正体は、疲労回復に欠かせないクエン酸です。クエン酸は、エネルギーづくりに欠かせない他、カルシウムの吸収率を高める働きもあります。持ち味いろいろの梅は、これからやってくる夏に欠かせない食材です。

レシピ提供:サカイ優佳子
賢脳の秘密:土澤明子

華麗なる食育リーダーズ 〜 佐山さなえ先生

今回の華麗なる食育リーダーズは横浜の大人の隠れ家レストラン「西洋懐石 ラ・ココット」マダムをつとめる佐山さなえ先生です。7年前より、趣味として楽しんでいたお菓子作りを本格的に勉強し、「ラ・ココット」のデザートを担当するほか、2001年にはお菓子教室「サナエ ラ グルモン」をスタート。さらに、横浜市鶴見区の生涯学習指導員として、個人で食育講習会の活動も行っている明るく元気な先生です。

▼お教室の詳細など詳しくはこちらからどうぞ☆



 サカイ先生コラム「食の探偵団」 


■Vol.12 「食の探偵団」レポート“味覚のふるさと”

 以前このコラムで、「味覚のふるさと」というプログラムをやってみたいと書いたのですが、その後、何度か実際に行う機会がありました。思わずクスッと笑ってしまったり、羨ましいなあ、素敵だなあと感じたり、時にはホロッときたり。想像していた以上に、ほんとうに興味深くて、私の大好きなプログラムになりました。

 では早速、やってみましょう。目をつぶってください。あなたにとっての味覚のふるさとってなんでしょう?小学校の給食の思い出?はじめての買い食い?お母さんの留守にお父さんが慣れない手つきで作ってくれた夕食?
  1分間、そのことをできるだけ細かく思い出してみてください。
 はい。それでは、今思い出したことを、紙に書いてみましょう。

 食の探偵団では、5〜6人でグループを組みます。それぞれの人がこうして書き出した「味覚のふるさと」を、グループの中でお話してもらいます。ひとつひとつがとても貴重で素敵なお話です。

▼続きはこちら


土澤先生に聞く 「歯によい食事とは」  

読者の方々から寄せられたお便りに「歯によい食事について知りたい」というご意見が多くありました。今回は特別にコラム「食育に科学とロマンを」でおなじみの管理栄養士・土澤明子先生に、歯によい食事についておうかがいしました。

「バランス」が命の歯に良い食事

じょうぶな歯をつくる栄養素といえばカルシウムです。そうかといって、単にカルシウムを多くとれば良いというわけではありません。歯をつくるためには、リンやマグネシウムなども必要なのです。どんな栄養素もそれ1つでは力を発揮することができないので、お互いに影響を受けながら働きます。カルシウムも例外ではなく、リンやマグネシウムなどと力を合わせて歯をつくるのです。

ところが、リンには注意が必要です。カルシウムはリンとくっついて歯をつくりますが、リンにはカルシウムの吸収を妨げる作用もあるのです。そこで、カルシウムとリンの「バランス」がとても重要になります。カルシウムとリンの摂取バランスは、最もカルシウムの吸収をよくする1:1〜1:2が理想とされ、この理想の比率に近い食品が牛乳です。例えば、豚肉は、カルシウム:リンが1:50となり、理想のバランスから遠くなります。でも、豚肉を食べないなんてナンセンスです。カルシウムの多い小松菜やチンゲン菜などの葉野菜を添えたり、カルシウムの吸収を高めるクエン酸の多い酢やレモン、梅干などを使ったりして、カルシウムの吸収を高めれば良いのですから。

ここからが重要なポイントです。リンはリン酸塩のかたちで、安定剤や膨張剤、PH調整剤などとして、多くの加工食品に利用される他、清涼飲料水の酸味料としても使われています。ですので、加工食品や清涼飲料水をたくさんとると、リンの摂取量も多くなり、カルシウムとリンの「バランス」は崩れ、カルシウムの吸収は悪くなります。つまり、カルシウムを十分とるように気をつけることも大切ですが、気づかずにとってしまう加工食品や清涼飲料水のリン酸塩には、もっと注意が必要なのです。

最後に、カルシウムは食品によって吸収率の違いが大きいことを覚えておいて下さい。牛乳に含まれる乳糖やカゼインが、カルシウムの吸収をよくするので、野菜や魚にくらべると、牛乳のカルシウムの吸収率は高くなります。ちなみに、牛乳や乳製品の吸収率は約50%で、小魚では約30%、青菜なら約20%といわれています。

2005年5月 土澤明子

もともと、食いしん坊というより、飲んべえ。食への感心はそれほど高くなかった私ですが、1年半にわたってこのメールマガジンを配信している間に、すっかり目覚めてしまいました。つい先日、ジュニアベジタブル&フルーツマイスターの資格も取得。野菜のソムリエとして、今後、みなさんに青果物についての情報を提供していきたいと思っています。新コンテンツとしては「畑の学校」、「セレブな離乳食」を近日公開!どうぞお楽しみに〜!(mina)

次回のレシピは『金目鯛の簡単蒸し物』です。

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