「5歳の頃から食べものや、お料理が出来上がる過程に興味がありました。くず湯が液体からゲル状になる様子などには、興味津々でしたよ(笑)」
日本ケロッグ広報室において一名で、企業や商品のPR、パッケージの栄養表示作成などに加え、食育などシリアルの栄養についてのPR活動も担当されている井出さん。幼少期の思い出からご自身のキャリア、ケロッグ社の歴史、食育への取リ組みまで、幅広くお話を聞かせてくださいました。
食に関わる数多くの体験から栄養学の道に
転勤族家庭で育った井出さんは、小学校だけで3校、高校でも転校し、北海道から九州まで、実に沢山の土地での生活を経験されました。多感な女子高生時代に転校し、田舎と都会の子のスタイルの違いに愕然として、ダイエットにも挑戦。その時の日々のカロリー計算や献立作りが楽しく、子供の頃からの料理好きもあって、大学の食物学科へ進学。これが、井出さんの栄養学への道の第一歩となりました。
卒業後に就職した会社では、スキンケア商品の評価や皮膚老化(しみ・しわ)を研究する部門に配属されます。「栄養」でなく「美容」の研究に追われる毎日だったそうですが、会社の業務研究コンテストでなんと準優勝!その時の「介護用品の開発」というテーマから、「人の役に立っている」と強く実感できるボランティアに興味を持ち、退社を決意。JICA(国際協力機構)の青年海外協力隊に参加し、約2年間フィリピンで栄養指導にあたられました。
ご自身では自覚がなかったということですが、異国でのハードな生活に心身ともにダメージをうけ、顧問医の指示により任期より若干早く帰国。一時は味覚障害にもなったといいます。
「食べ物って栄養を摂るだけのものではないんですね。舌の感覚が麻痺していると、食感などが得られなくて何を食べてもおいしくない。食事は、五感で楽しむものでもあると実感しました。」
体調が戻られると、”食に関わる仕事がしたい!”と強く思うようになり、最初は希望が叶わず食以外の仕事に就いたものの、その後求人のあった日本ケロッグ社へ入社。再び栄養の世界で活躍されることとなります。
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