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食育に科学とロマンを

その59:食べものたちのハーモニー

 
 

「バランスのよい食事」をしましょう。この言葉をどれほどの方に伝えてきたのか。まるで水戸黄門の印籠の如く、栄養相談が時間いっぱいになると出てくるセリフ。この決まり文句を伝えれば、きちんと説明した気になるのだから勝手な話です。雲をつかむような抽象的表現の「バランスのよい食事」という言葉で、相談終了となった皆さんは、さぞかし不満が残っただろうと反省しています。

ところで、みなさんは「バランスのよい食事」と聞いて、どんな食事を思い浮かべますか。お母さんが作ってくれた食事ですか。子どもの時の給食ですか。それとも、手軽に食べられる栄養調整食品ですか。どうやら、「バランスのよい食事」の定義はなさそうです。今日は時間いっぱい、しかとご説明させていただきましょう。

まず、「バランスのよい食事」を短い言葉で表わすと、「主食・主菜・副菜が揃った伝統的な日本型の食事」と言えます。さて、1食分の目安は・・・。

主食はごはん中心に1杯分。
主菜となる魚や肉、卵、豆、豆製品は、手のひらに乗るだけの量を使って1皿分。
副菜としての野菜やキノコ、海草のメニューは2皿分。量は、生なら両手に山盛り1杯、加熱していたら片手に山盛り1杯、そのうち半分は緑の濃い野菜にする。
油のとり方は、揚げ物は週に1回、油を使った料理は1日2皿を目安にする。
加えて、日中に乳製品コップ1杯分と、果物はじゃんけんのグー2個分を食べる。

これが、ミドルエイジの健康を育む印籠「バランスのよい食事」の詳細です。でも、これはあたまで考える「バランスのよい食事」です。もう1つ、忘れてはならない大事な「バランス」があります。

それは、こころで感じる「バランスのよい食事」です。色彩や香り、食感、味など、食べものたちの素敵なハーモニーが聴こえてくるバランスのよさ。私たちが生きるために、食べものたちの“いのち”をいただき、その結果食べものたちの“いのち”が失われても、その“いのち”は、私たちのからだの中でまた生まれ変わって連続して生き続けるという実感。自然とともに生きている、と、いうバランス感覚。それが食べものへの感謝のこころとなり、調和のとれた食事につながっていくのだと思います。

あたまで考える「バランスのよい食事」と、こころで感じる「バランスのよい食事」。この2つを忘れずに食事をすれば、食べものたちの“いのち”が、私たちのこころとからだをしっかりと支えてくれると思います。

土澤 明子 2010年8月

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