Queen Home_edu
TOP PAGE
レシピ
コラム
レポート
食育BOOK
おいしいBlog
メールマガジン
プロフィール
リンク
コラム
TOP > コラム > 食育には「歯」が命
食と歯の健康のかかわり
第1回 なんで噛むの?噛むとどうなる?  

 

 

 その時々の流行に一度は飛びつきたくなる習性の私は、昨年5月頃から、とび出たおなかが気になり出していたのも重なって、週に2度ほど、時間を見つけて約1時間ほどのウォーキングをしています。話題のデューク更家さんの本もしっかり読んでみました。歩くという日常的な行為も、姿勢や筋肉を意識して、『しっかり』歩くことで、全く違った意味を持ってきます。おなかはなかなか引っ込みませんが、明らかに、疲れにくくなり、夜は熟睡できるようになりました。しっかりと歩くことが、健康な体を作り上げてくれるということを身をもって感じています。
“しっかりと咀嚼する”というのにも、まったく同様のことが言えます。英語で咀嚼は、Masticate(マスティケート)といいます。まだ聞きなれない言葉ですが、いろいろな所で目にし耳にするようになる頃には、皆さんの食生活、そして歯も変わっていることでしょう。少しでもそのお手伝いができればと、こちらでの連載を引き受けさせていただくことにいたしました。歯科医師としての私の立場で、咀嚼の仕組みや効果について、歯や全身の健康とのかかわりについての具体的なお話ををして行きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 国語辞典で「咀嚼」とひくと「口の中で食べ物をよく噛み砕き、味わうこと。」と記載されています。“食する”ためには咀嚼をしなければなりません。最近ではほとんど噛まずに飲み込むような、食べ方をする子供たちも多く見かけますが、正さなければなりません。咀嚼はとても大切なことなのです。では、どうして咀嚼しなければならないのでしょうか? 
モノを咬むという行為は、単に消化吸収を良くするといった肉体的側面だけではなく、精神的側面にも影響を及ぼしているということがわかってきました。例えば運転中ガムを噛むと眠気が取れたり、緊張した場面でガムを噛むとリラックスできたり。また、食事の際に咀嚼をすればするほど、食べ物の味が徐々に引き出され、そのうま味が快感となり、食欲を増進させ、必要な栄養を取るようになる、、、などなど。実に様々な効果を発揮するのです。

 咀嚼するという何気ない行為が、知らず、知らずのうちに私たちに大きなパワーを与えてくれています。無意識に行っている、日常的な何気ない行為のひとつひとつが、実は生命の維持という大きな目的に私たちを導びくように設計されているのです。次回はもうちょっと詳しく説明しましょう。


2005年2月 堀 滋
TOP PAGE