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■α‐リポ酸
α(アルファ)‐リポ酸は、「痩身」や「老化防止」などの効果をうたったサプリメントや化粧品に使われています。このα‐リポ酸により誘発されたと考えられる健康問題が相次ぎ、厚生労働省研究班が全国調査を行いました。

α‐リポ酸は、牛や豚の肝臓、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなどに含まれ、体内で代謝を助ける働きをする補酵素のひとつです。正式にはビタミンと認められていませんが、ビタミンと同じ働きをするビタミン様物質として扱われています。α‐リポ酸は、従来激しい肉体疲労時などに注射や飲み薬として、医師が処方してきた医薬品ですが、2004年春より健康食品への配合が許可されました。さて、α‐リポ酸が配合された健康食品より、どんなことが起こったというのでしょう。

ある特定の遺伝子を持った人がα‐リポ酸を摂取すると、インスリン自己免疫症候群が引き起こされ、血糖値を下げる薬を使っていないのに、「震え」や「冷や汗」、「動悸」などの低血糖症状があらわれるというのです。HLA遺伝子と呼ばれる白血球の型をもつ人が、SH基と呼ばれる構造をもつ薬や健康食品などによって発症するとされています。けれども、この特定の遺伝子素因を持つ人なら誰でも自己免疫症候群を起すかどうかはわかっていません。厚生労働省は、α‐リポ酸を摂取して「震え」や「冷や汗」、「動悸」などの症状が出た場合には、速やかに摂取を中止して医療機関を受診し、医師の診察時にα‐リポ酸の摂取を伝えるように呼びかけています。

ところで、α‐リポ酸の痩身効果についてですが、肥満や体重減少、エネルギー消費増大に対する影響についての論文のほとんどは、動物実験や試験管内実験のレベルなので、今のところ人間で痩身効果があるかどうかは不明とされ、今後の科学的な検証が必要であると考えられています。また、食品として流通しているα‐リポ酸の商品は、一般的に品質・規格が明確でないため、それらの商品に医薬品と同等の安全性、有効性が期待できるとは限らないと、国立健康・栄養研究所はいっています。




管理栄養士 土澤 明子
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