「ルチン」という機能性成分を聞いたことがありますか。そばには、このルチンが多く含まれています。ルチンは、ビタミンPの一種で、ビタミンCとともに働き、弾力を失い細くなった毛細血管を強くしたり、血の流れをよくして血圧を下げたりするといわれています。
しかし、ルチンは水に溶け出す性質をもっているため、そばをゆでるとそのゆで汁の中に溶け出します。ですから、そば湯を飲むことで、ゆで汁に流れ出たルチンをとることができるのです。そば湯を飲むのは、何もおいしいだけではなく、からだに大切な栄養成分をムダにしないためでもあったのです。
昔の人の食べものに対する考えには、「なんでだろう」と首をかしげることもありますが、時が流れ、科学が発展するにつれてその疑問が解明されることも多いものです。もしかすると、今、捨ててしまっているものの中にも、わたしたち人間に、大切な栄養素が含まれているのかも知れません。だからこそ、多くの種類の食べものを、まんべんなく、そして余すところなく食べることが大事なのです。