中国医学の陰陽五行論をもとにした食養生では、その食べものが、からだを冷やすか温めるか区別し、作用の程度により「寒・涼・平・温・熱」の五性(性とは性質)に分けています。更に、食べものの味を「酸・苦・甘・辛・鹹」の五つ(五味)に分類します。そして、この考えを元気なこころとからだをつくることに役立てます。
生姜の五性は「温」で、五味は「辛」です。「辛」には、滞ったものを追い出し、発散させるという働きがあり、血のめぐりを良くするとされています。また、食欲を増進させたり、消化を助けたりするほか、殺菌作用をもつと考えられています。
生姜が、ゾクゾクする寒気や鼻水、鼻づまりといった風邪の初期症状を改善させるのは、胃腸をあたため、寒さを散らし、からだを温める「辛」の作用によるものです。寒い冬、循環をよくして発汗させ、風邪を追い払うには、もってこいの食材です。